香港を歩いていると、奇妙な感覚になることがあります。
中国本土の深圳や上海には新しい高層ビルが次々と建ち、台湾の台北にも近代的な再開発地区があります。
ところが香港では、繁華街の一等地でさえ、何十年も前から存在しているような古いマンションや雑居ビルが目立ちます。

外壁が黒ずんだ建物、窓の外に取り付けられたエアコン、古い看板、雑然とした共用部分。
世界有数の国際都市でありながら、なぜ香港には古い建物がこれほど残っているのでしょうか。
結論からいうと、香港では1960~1980年代に建設された建物の老朽化が進む一方、土地や建物の所有権が細かく分かれており、建て替えには多額の費用と時間がかかるためです。
さらに、不動産価格が高い都市だからといって、すべての再開発事業で利益が出るわけではありません。
香港政府によると、2024年末時点で築50年以上の民間住宅建物は8,977棟に上っています。[出典1]
玄ちゃんは仕事で年2回ほど香港を訪れており、初めて訪問した2011年から2026年まで、約15年間にわたって街を見てきました。
その間、スマートフォンや自動車は明らかに変化しました。
しかし、尖沙咀などの古い繁華街では、建物の外観がほとんど変わっていないように感じる場所が少なくありません。
今回は、香港の古い建物が残る理由を、不動産市場、所有権、行政制度、都市開発の歴史から検証します。
香港はなぜ古い建物が多い?築50年以上のビルが増える現状
香港の建物が古く見える理由の一つは、実際に築年数の長い建物が多数存在していることです。
香港政府が2025年9月10日に公表した資料によると、2024年末時点で築50年以上の民間住宅建物は8,977棟ありました。[出典1]
さらに2026年2月4日の政府回答では、強制建物検査制度の対象となる建物のうち、築30年以上のものが2025年末時点で2万棟以上存在すると説明されています。[出典2]
これらは対象範囲が異なる統計なので単純に足し合わせることはできませんが、香港が大規模な建物老朽化問題を抱えていることは分かります。
香港の古い建物はどのくらいある?
| 政府統計 | 建物数 | 基準時点 |
|---|---|---|
| 築50年以上の民間住宅建物 | 8,977棟 | 2024年末 |
| 強制建物検査制度の対象となる築30年以上の建物 | 2万棟以上 | 2025年末 |
| 上記のうち検査通知が発行された建物 | 約9,000棟 | 2025年末 |
[出典1・2]
特に、尖沙咀、油麻地、旺角、深水埗、湾仔など、古くから市街地として発展してきた地区では、築年数の長い建物が街並みの一部になっています。

ただし、すべての地区に古い建物が同じ割合で存在するわけではありません。
新しい住宅開発が進んだ地域と、長い歴史を持つ旧市街では、街の印象が大きく異なります。
古い建物が今も使われている理由
築50年の建物であっても、適切な修繕が行われていれば、必ずしも使用できなくなるわけではありません。
また、香港では建物を取り壊すこと自体が大きな事業です。
住宅や店舗が入居している建物では、所有者、居住者、事業者など、それぞれの利害を調整する必要があります。
そのため、建物が古くなったからといって、すぐに建て替えられるわけではないのです。
香港ではなぜ再開発が進まない?土地価格と採算性の問題
香港の再開発を理解するうえで重要なのは、「土地が高いから再開発できない」という説明だけでは不十分だという点です。
一般的には、地価が高い場所ほど、古い建物を取り壊して新しい高層ビルを建てれば、大きな利益が得られそうに思えます。
しかし、実際には土地や建物を取得するための費用も高くなります。
さらに、建設費、金利、住民への補償、法的手続き、完成後の販売価格なども事業の採算を左右します。
再開発にはどのような費用がかかる?
| 項目 | 再開発への影響 |
|---|---|
| 土地・建物の取得費 | 所有者から権利を取得する費用がかかる |
| 所有権の集約 | 複数の所有者との交渉が必要になる |
| 解体・建設費 | 古い建物の撤去と新築工事に費用がかかる |
| 補償・移転 | 居住者や店舗の移転に関する調整が必要 |
| 金融費用 | 開発期間が長くなるほど資金負担が増える |
| 不動産市況 | 完成後の販売価格や賃料が収益を左右する |
| 都市計画上の制約 | 建物の高さや容積、用途などに制約がある場合がある |
これらは一般的な再開発事業の収支構造を整理したもので、すべての香港の事業で同じ費用構成になるという意味ではありません。
香港政府も再開発の採算性を課題としている
2026年7月15日、香港政府は都市再生局(URA)の再開発事業について、不動産市場や資金繰り、事業の複雑さなどを踏まえ、進行速度を調整していると説明しました。[出典3]
また、都市再生局は2025年1月、事業用地の取得に巨額の資金が必要となることや、開発事業者が新規投資に慎重になっていることを説明しています。[出典4]
つまり、再開発が遅れる背景には、行政の意欲だけでは解決できない経済的な問題があります。
特に、不動産市場が弱い局面では、高額な費用をかけて古い建物を買い集めても、新築物件を十分な価格で販売できるとは限りません。
香港では「高い土地=必ず儲かる」ではない
玄ちゃんが興味深いと思うのは、香港の不動産価格の高さが、逆に再開発の難しさにつながる点です。

土地が高い都市では、完成後の建物の価値も高くなりやすい一方、事業を始めるための費用も大きくなります。
しかも、古い建物がすでに高密度で建っている場所では、新築によって増やせる床面積に限界がある場合もあります。
新しい建物を建てれば必ず大きな利益が出るわけではないのです。
香港の古いマンションが建て替えられないのは所有者が多いから?
香港の古いマンションや雑居ビルでは、土地や建物の権利が多数の所有者に分かれていることがあります。
これは建て替えを難しくする重要な要因です。
例えば、古いビルに住宅が数十戸あり、それぞれに異なる所有者がいる場合を考えてみましょう。
建物全体を取り壊すには、個々の部屋の所有権だけでなく、土地に関する権利も整理しなければなりません。
ある所有者は売却したいと考えていても、別の所有者は住み続けたいと考えるかもしれません。
店舗を経営している人にとっては、移転そのものが経営上の大きな問題になります。
香港には強制売却による再開発制度がある
香港では、一定の条件を満たす場合、土地の多数持分を取得した所有者が、残る持分を含めた強制売却を土地審裁処に申請できる制度があります。
これは、所有者全員の合意が得られないために老朽建物の再開発が進まない問題に対応する仕組みです。
2024年12月6日には、関連法の改正が施行されました。
改正では、建物の築年数や所在地などに応じて、強制売却の申請に必要な持分割合が引き下げられています。[出典5]
2024年の制度改正で何が変わった?
| 項目 | 改正の方向性 |
|---|---|
| 強制売却申請の持分要件 | 一定の老朽建物で引き下げ |
| 築年数 | より古い建物ほど低い要件を適用する仕組み |
| 対象地区 | 老朽建物が集中する指定地区への対応 |
| 隣接地 | 複数の隣接区画をまとめた申請を促進 |
| 少数持分所有者 | 支援策や保護措置を強化 |
[出典5・6]
重要なのは、強制売却制度があるからといって、開発業者が自由に建物を取り壊せるわけではないことです。
法定の条件や手続きがあり、所有者の権利保護も考慮されます。
また、制度上の要件が緩和されても、採算の合わない再開発が自動的に進むわけではありません。
建て替えられないのは住民の反対だけが原因ではない
古い建物が残る理由を「住民が反対しているから」と単純化するのは適切ではありません。
実際には、売却条件の調整、所有権の確認、資金調達、開発計画、移転先の確保など、複数の問題が重なります。
玄ちゃんは、香港の再開発問題を考えるとき、建物そのものの古さよりも、その建物に関係する人や権利の多さに注目する必要があると考えます。
香港のビルはなぜ外壁や共用部分が古びたままなのか?
香港の古い建物を歩いていると、外壁の汚れや塗装の劣化、配管、窓の外のエアコンなどが目につきます。

また、建物の入口や階段、廊下などの共用部分が、長い年月を経た状態のまま使われていることもあります。
ただし、外観が古いことと、建物の構造上の安全性に問題があることは同じではありません。
共用部分の修繕には所有者の協力が必要
マンションの室内であれば、所有者が自分の判断で内装を改修できる場合があります。
しかし、外壁や階段、共用設備などは、複数の所有者が関係する部分です。
修繕には費用負担や工事内容の調整が必要になります。
管理組織が十分に機能していなかったり、所有者の意見がまとまらなかったりすると、必要な修繕が遅れる可能性があります。
これは香港だけに限らない問題ですが、古い建物が密集する香港では特に重要です。
香港には強制建物検査制度がある
香港では2012年から、強制建物検査制度(Mandatory Building Inspection Scheme)が実施されています。[出典7]
この制度では、原則として築30年以上の対象建物について、法定通知を受けた所有者が登録検査員による検査を手配し、必要な修繕を行うことが求められます。
検査の対象には、外壁、構造部分、防火設備、排水設備などが含まれます。[出典8]
| 検査対象 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 外壁・建物外部 | 劣化や落下につながる不具合 |
| 構造部分 | 建物の構造上の状態 |
| 防火設備 | 火災時の安全に関わる部分 |
| 排水設備 | 排水管などの状態 |
| 共用部分の違法建築物 | 無許可の増改築など |
つまり、香港では古い建物が放置されているだけではなく、行政による検査・修繕の仕組みも整備されています。
一方で、制度の対象になっていても、すべての建物が同時に検査や修繕を終えるわけではありません。
建物数が多いため、対応には時間がかかります。
香港の街並みは中国・台湾とどう違う?深圳・上海・台北と比較
香港の古い街並みが印象に残るのは、中国本土や台湾の都市と比較したとき、その違いが目立つためでもあります。
ただし、中国本土や台湾の建物がすべて新しいわけではありません。
上海には歴史的な住宅街が残っていますし、台北にも築年数の長い集合住宅や商業ビルがあります。
都市ごとの違いを理解するには、どの時代に、どの地区が発展したのかを考える必要があります。
香港・深圳・上海・台北の街並みを比較
| 都市 | 街並みの特徴 | 古い建物と新しい建物の関係 |
|---|---|---|
| 香港 | 早くから高密度の市街地が形成された | 古い高層住宅や雑居ビルと新しい超高層ビルが混在 |
| 深圳 | 1980年代以降に急速な都市化が進んだ | 比較的新しい開発地区が広範囲に存在 |
| 上海 | 歴史的市街地と大規模な新興開発地区が共存 | 外灘などの歴史的地区と浦東の高層ビル群が対照的 |
| 台北 | 古い住宅・商業地区と新しい開発地区が共存 | 台北101周辺などの近代的地区と旧市街が並存 |
これは各都市の代表的な街並みを比較したもので、建物の平均築年数を統計的に順位付けしたものではありません。
深圳が香港より新しく見える理由
深圳は1980年の経済特区設置以降、急速に発展した都市です。
一方、香港はそれ以前から国際的な港湾・商業都市として発展していました。
そのため、都市の中心部にある建物の建設年代が大きく異なります。
香港の旧市街には、深圳が本格的に都市化する以前から使われている建物が多数存在します。
新しい都市と、すでに完成していた都市では、建物の入れ替わる速度が違って見えるのです。
上海や台北にも古い街並みはある
上海の浦東新区の高層ビル群と香港の古い雑居ビル街を比較すれば、上海の方が新しく見えるでしょう。
しかし、上海にも古い住宅街や歴史的建造物は残っています。
台北も同様です。
信義区の近代的な景観と、古くからの住宅街では印象が大きく異なります。
したがって、「中国や台湾は新しく、香港だけが古い」と断定するのは適切ではありません。
玄ちゃんは、香港の場合、観光客がよく訪れる尖沙咀や旺角などの中心市街地に古い建物が多く残っていることが、街全体の印象を強めているのではないかと考えます。
香港は本当に30~40年前と変わっていない?映画の街並みと再開発を比較
玄ちゃんが香港の街並みに強い関心を持つ理由の一つは、昔の香港映画です。
特に好きな作品が、ジャッキー・チェン主演の1988年公開映画『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』です。
この映画には、1980年代の香港の繁華街の空気が色濃く残っています。
玄ちゃんが以前よく宿泊していたホテルは、尖沙咀駅前の重慶大厦(チョンキンマンション)付近にありました。
映画で見慣れた時代の尖沙咀と、2026年に実際に歩く尖沙咀。
もちろん店や看板、人々の服装は変わっています。
それでも、建物の密集具合や街路の雰囲気には、驚くほど共通するものを感じます。
1988年の香港映画と2026年の街並み
1988年から2026年までは38年間です。
その間に香港は中国への返還を経験し、経済や社会も大きく変化しました。
それでも、古くからの商業地区では、建物の輪郭や道路の配置が残っているため、昔の映画と現在の街が重なって見えることがあります。
ただし、『ポリス・ストーリー2/九龍の眼』の個々の場面について、重慶大厦付近の正確な撮影地点を今回の調査で特定できたわけではありません。
映画に登場する場所と、現在の特定の建物が完全に一致すると断定することは避けます。
ここで紹介しているのは、長年香港を訪れてきた玄ちゃん自身の印象です。
スマートフォンは変わったのに建物は変わらない
玄ちゃんが2012年頃に香港を歩いていたとき、街ではSamsungのGalaxyシリーズを使っている人が目につきました。
その後、2015年を過ぎた頃から、iPhoneを使う人が増えたように感じました。
これは街頭での個人的な観察であり、香港全体のスマートフォン市場シェアを示す統計ではありません。
しかし、建物があまり変わらないように見える一方、街で使われるデジタル機器は短期間で入れ替わるという対比は興味深いものです。
スマートフォンは数年単位で買い替えられます。
一方、建物は数十年間使われ、建て替えには多額の費用と複雑な手続きが必要です。
同じ都市の中でも、変化する速度がまったく異なるのです。
テスラが増えても赤いタクシーは昔のまま?
ここ数年、玄ちゃんが香港で特に目につくようになったのがテスラです。
街の自動車が電動化していく一方で、香港名物の赤いタクシーは、昔の香港映画を思わせる姿で走っています。

長年香港で親しまれてきた箱型のタクシーには、トヨタのクラウンコンフォート系の車両が使われてきました。
ただし、香港のタクシーがすべて昔の車両のままというわけではありません。
トヨタ香港は、新しいコンフォート・ハイブリッド・タクシーも販売しています。[出典9]
つまり、赤いタクシーの伝統的なイメージが残る一方、車両自体は少しずつ更新されています。
この点も、香港らしい変化の仕方といえるでしょう。
K11 MUSEAのような新しい建物も登場している
香港が変わっていないという印象に対して、分かりやすい反例が尖沙咀のK11 MUSEAです。

K11 MUSEAは2019年に開業した大型商業・文化施設で、ビクトリア・ハーバー沿いのVictoria Dockside再開発の一部です。[出典10]
古い雑居ビルが並ぶ尖沙咀の街を歩いた後にK11 MUSEAへ行くと、まったく異なる都市に来たような感覚になります。
しかし、実際にはどちらも同じ香港です。
香港の変化を整理すると
| 時期 | 街で感じる変化 | 建物・都市開発の視点 |
|---|---|---|
| 1988年 | 香港映画に映る古い繁華街 | 現在にも通じる街路や建物の雰囲気 |
| 2011年 | 玄ちゃんが初めて香港を訪問 | 古い雑居ビルが強く印象に残る |
| 2012年頃 | Galaxyを使う人が目につく | 建物の外観は大きく変わらない印象 |
| 2015年以降 | iPhone利用者が増えたように感じる | 古い市街地と新しい商業施設が共存 |
| 2019年 | K11 MUSEAが開業 | 尖沙咀のウォーターフロントが変化 |
| 2024~2026年 | テスラが目につく | 老朽建物対策と再開発が引き続き課題 |
この表のスマートフォンや自動車に関する記述は玄ちゃんの現地観察であり、統計による市場シェアの比較ではありません。
百万ドルの夜景も本当に変わっていない?
尖沙咀のビクトリア・ハーバーから眺める香港島の風景も、昔から大きく変わっていないように感じることがあります。

中環、湾仔、銅鑼湾方面に高層ビルが並ぶ光景は、長年にわたり香港の象徴です。
しかし、実際には新しい高層ビルが建設され、ウォーターフロントも整備されてきました。
夜景が変わらないように感じるのは、ビル一棟一棟が同じだからではなく、港を挟んで高層ビル群を眺めるという基本的な景観の構造が残っているからかもしれません。
玄ちゃんは、香港の魅力は、街の変化が単純な新旧交代ではないところにあると思います。
古い建物をすべて取り壊して新しくするのではなく、古い街並みの中に新しい施設や技術が入り込んでいく。
進化しているようで、していないようでもある。
その独特の時間の流れこそが、香港という都市の面白さなのではないでしょうか。
香港の古い建物は危険?修繕・建て替えと今後の課題
古い建物が多いと聞くと、安全性を心配する人もいるでしょう。
しかし、築年数が長いという理由だけで、すべての建物を危険だと判断することはできません。
重要なのは、建物の構造、維持管理の状況、過去の修繕、法定検査への対応などです。
香港政府は老朽建物への対策を進めている
香港政府は2012年に強制建物検査制度を導入しました。[出典7]
さらに2024年には、老朽建物の再開発を促進するため、強制売却制度を改正しています。[出典5]
また、2026年7月の政府回答では、2018年以降、建物修繕支援のために都市再生局へ合計190億香港ドルを配分してきたと説明しています。[出典3]
これは、香港の建物老朽化が個々の所有者だけで解決できる問題ではなく、行政の支援を必要とする都市全体の課題であることを示しています。
今後の課題は建て替えと修繕の両立
香港の古い建物をすべて建て替えることは、現実的ではありません。
建て替えには時間も資金も必要で、住民や事業者の生活にも影響します。
そのため、今後は再開発に適した建物を更新する一方、使い続けられる建物については適切な修繕を進めることが重要になります。
| 対応方法 | メリット | 課題 |
|---|---|---|
| 建て替え | 新しい設備や建築基準に対応しやすい | 費用、所有権、移転調整 |
| 大規模修繕 | 建物を使い続けながら安全性を維持できる | 所有者の費用負担、合意形成 |
| 外壁・設備の部分修繕 | 必要な箇所から改善できる | 根本的な老朽化問題が残る場合がある |
| 地区全体の再開発 | 道路や公共空間も含めて改善できる | 大規模な資金と長い事業期間 |
香港の古い街並みは、旅行者にとって魅力的な風景でもあります。
しかし、そこで暮らす人にとっては、外壁の安全性や排水設備、エレベーター、建物の維持費などが日常生活に直結します。
街の風情を残すことと、安全で快適な住環境を確保すること。
この両立が、香港の今後の大きな課題です。
まとめ|香港の古い建物は都市が発展していない証拠ではない
香港に古いマンションや雑居ビルが多く残っているのは、単に再開発が遅れているからではありません。
早くから高密度に発展した都市であることに加え、土地の所有権、建て替え費用、不動産市場、行政制度など、複数の要因が重なっています。
香港政府の統計では、2024年末時点で築50年以上の民間住宅建物が8,977棟存在していました。[出典1]
一方、2019年に開業したK11 MUSEAのように、新しい施設も生まれています。[出典10]
玄ちゃんは2011年から約15年間香港を訪れていますが、古い建物が残る街並みと、新しい技術や商業施設が共存する姿に、毎回不思議な魅力を感じます。
1980年代の香港映画を思わせる尖沙咀の街角。
そのすぐ近くにある新しい商業施設。
昔ながらの赤いタクシーと、街を走るテスラ。
香港は、何も変わっていない都市ではありません。
むしろ、変わるものと変わらないものが、非常に近い距離で共存している都市なのです。
その独特の街並みを理解するには、建物の見た目だけでなく、都市の歴史や不動産の仕組みまで知ることが大切なのでしょう。
参考資料・情報源一覧
本記事は、以下の香港政府資料、都市再生局の発表、企業公式情報を参考に作成しています。(2026年10月12日時点)
香港政府・公的資料
- [出典1]香港政府|築50年以上の民間住宅建物に関する統計
- [出典2]香港政府|老朽建物の検査・修繕状況
- [出典3]香港政府|老朽地区の再開発と建物修繕の推進
- [出典5]香港政府|2024年の強制売却制度改正
- [出典7]香港屋宇署|強制建物・窓検査制度の開始
- [出典8]香港屋宇署|強制建物検査制度の対象と基準
都市再生局・企業公式情報


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